2020年 7月
高気密高断熱の性能UA値は、どれくらいの数値が良いのか、基準値は?
高気密高断熱で家を建てるという事は、珍しくなくなってきました。しかし、この高気密高断熱の家とは、どの程度の性能を指すのでしょうか?
関東圏では、ゼロエネルギーハウスの基準値である外皮熱貫流率UA値=0.6W/㎡K以下。
この数値が、高気密高断熱住宅と呼んで良い最低レベルだと私は考えています。
外皮熱貫流率については、弊社で温熱シュミレーションに使っているホームズ君のホームページをご覧ください。
UA値とC値両方で高気密高断熱
昨今、この外皮熱貫流率UA値を使って性能をうたう建築会社が増えてきました。
一つ大切な事があります。それは、高断熱の家ではなく、高気密高断熱の家であるという事。
とても大切な高気密についてのC値が表記されていない建築会社さんは高断熱の家だけど高気密高断熱の家では無い可能性があります。
さらに、言えば高気密でないと断熱性能は下がりますので高断熱でもないかもしれません。
以前、隙間相当面積C値についてのブログも書きましたのでご覧ください。
2020年に義務化になり損ねた次世代省エネ基準
2020年には次世代省エネ基準が義務化になり、ゼロエネルギーハウスが新築の過半数を占めるという目標が国にありました。
しかし、ゼロエネルギーハウスが進まないばかりか、性能の劣る次世代省エネ基準値(UA値=0.87W/㎡K)を義務化することもできませんでした。
代わりに、2021年4月から説明義務が課せられます。
簡単に言えば、次世代省エネ基準になってない事の説明と基準を満たすための改善案を予算も踏まえて建築会社が説明しなければならないという事です。
ちなみに、施主が次世代省エネ基準を満たしてない事を了承すれば、そのまま建てられるので、とても中途半端な義務です。
UA値=0.6W/㎡Kは高性能?
ゼロエネルギーハウスの基準となるUA値=0.6は十分な性能なのでしょうか?
『国が作った基準だから、それ以下であれば十分じゃない』
と思ったら大きな間違い!
UA値=0.87W/㎡Kすら、義務化にできない状況なんです。
もっと、性能が高くないと十分じゃない事を国は知っているはずです。
でも、出来ない。
色々なしがらみがある国です。仕方ないですね。
HEAT20の基準を参考に!
【2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会】通称HEAT20は、研究者や住宅・建材生産団体の有志によって、2009年に発足した団体です。
HEAT20の推奨グレードにはG1、G2があります。(最近G3が出来ました)
家づくり舎ファミリーの事務所がある埼玉県越谷市の地域区分は6です。
そのG2グレードのUA値=0.46W/㎡K
家づくり舎ファミリーでは、ここからが高気密高断熱の家と呼んで良いと考えています。
G2グレードの高気密高断熱の家は高額
G2グレードの家と次世代省エネ基準の家では、建築費が違います。
差額は、150万円~200万円(施工未経験だと250万円くらいかも・・・)
当然ですが、
断熱性能を上げれば、イニシャルコストが上がります。
断熱性能を上げれば、ランニングコストが下がります。
このランニングコストで月平均5千円違えば、
5,000円×12か月×35年=2,100,000円
35年後まで考えると、同じ費用が掛かった事になります。
同じ費用なら、どちらでも良いでしょうか?
快適な35年が手に入るのであれば、G2グレードの方が良いですよね。
最初にUA値=0.6W/㎡K以下と書きましたが、
UA値=0.46W/㎡K以下が、高気密高断熱と呼んでほしいです。
家づくり舎ファミリーが造る高気密高断熱の家
弊社の高気密高断熱は、
UA値=0.3W/㎡K以下、C値=0.5c㎡/㎡ 以下です。
この数値まで性能を上げる事は贅沢でしょうか?
私たちには、この数値を推奨するに至った理由があります。
その理由は、単に性能が高い方が良いという事ではありません。
50年後、60年後まで考え、最も堅実で経済的な家を考えた結果がこの性能でした。
ご興味のある方は、
ミニセミナーなどもございますので、お気軽にお問い合わせください。
埼玉県越谷市の地盤は本当に弱いのか?地盤調査をしなくても情報収集は可能。
『東武線沿線は地盤が弱い』、『越谷市は地盤が弱い』と言われ続けていますが、実際はどうなのでしょうか?
結論
越谷市の地盤は、弱いところが多い。
中でも、蒲生・七左町・レイクタウン・せんげん台などは、注意が必要です。
しかし、全てが弱いという事はありません。
実際に弊社で建てた越谷市の物件で地盤調査の結果、良質な地盤で改良工事が不要だった現場もあります。
最終的には、地盤調査を行わないと地盤の強度はわかりませんが、ある程度の情報収集が可能です。
土地の購入や建て替えの前に知っておきたい地盤の情報収集
①地震ハザードマップを参考にする
越谷市のホームページには地震ハザードマップがあります。
作成の理由は、
自宅の耐震診断や耐震改修に役立てていただく事を目的
と紹介されています。
揺れやすさマップ・液状化マップ・地域の危険度マップがありますので
ぜひ参考にしてください。
②土地の住所を参考にする
地名には、昔はどんな土地だったかを教えてくれる物があります。
例えば、越谷市袋山 という住所がありますが、
正式には、越谷市大字袋山字天沼 となります。
袋山だけ見ると、山だったのかなぁ?地盤強いかも と思うかもしれないですね。
しかし、そのあとの小字の下に 天沼・・・沼があります。
山の中の沼だったのかもしれません。
③旧地図を見る
昔の地形図を見る事で、その土地の過去を知る事ができます。
詳細までは、難しいですが参考にはなります。
インターネット上で今昔マップを見つけました。
住宅地だったのか、畑・田んぼ・沼など、今と過去を比較して見る事が可能です。
④近隣の状況を見る
計画地の近隣は、類似した地盤の強さである可能性は高いです。
その既存の家やブロック塀などを見る事で想定ができます。
家の外壁にクラック(ひび割れ)が多いと、地盤の弱いという可能性が高くなります。
ただし、施工が悪い場合もクラックが入るのであくまでも参考程度で考えてください。
ブロック塀なども上下に波打っているように歪んでいると弱い可能性が高いです。
傾いて倒れそうなブロック塀は、施工不良である可能性の方が高いかもしれません。
可能であれば、検討地の近隣に住む人に質問が出来るとより良いですね。
最終的には信頼できる地盤調査を!
最初にも書きましたが、最終的には地盤調査をしないと本当のところはわかりません。
しかし、この調査方法にも種類があって信頼性に違いがある事をご存知でしょうか?
建物を耐震等級3で建てても、断熱性能の高い家を建てても、地盤が弱くては意味がありません。
地盤の事をしっかり把握することが大切です。
たとえ、弱い地盤でも危険性が高くない限り、適切な補強工事を選定することが出来れば安心です。
世間の評判や相対的なハザードマップと調査結果の結果
弊社で実際に調査を行った地域に、
せんげん台、レイクタウン、七左町があります。
地震ハザードマップで見ると
せんげん台とレイクタウンは震度階級6強の最高ランク
七左町は震度階級6強の中間ランク
せんげん台の土地は?
深さ2m程度の位置に弱い地盤層があり不動沈下の可能性が高く、地盤改良工事が必要という結果。
改良方法は、鋼管杭をを採用しました。
レイクタウンの土地は?
レイクタウンは、元々葦が生えているような沼地でした。ところが長い年月を掛けた造成工事のおかげで良質な地盤であるという結果。
改良不要でした。(木造2階建ての場合)
七左町の土地は?
田んぼの埋め立てが多いこの地域は、全体的に弱い層があり不動沈下の可能性が高く、地盤改良工事が必要という結果。
改良方法は、ピュアパイル工法を採用しました。
この結果からも地震ハザードマップだけで地盤の強さは判断できない事がわかります。
「それじゃあ、情報収集しても意味が無いじゃないか!」
と思われるかもしれません。
しかし、ぜひ事前に調べてください。
土地の購入または、建て替え計画を進める前に調査をする事は難しいので、想定・覚悟ができます。
これから住む、これからも住む町全体が地震災害時に、どの程度の被害があるかが認識できます。
良く誤解されるのですが、地盤改良工事の保証は地震による不動沈下は免責です。
つまり、地震によって家が傾いても保証してくれません。
だから必要な事は
①ハザードマップなど目視で確認できる資料を見る
②信頼できる地盤調査を行う
③耐震性の高い家を根拠を持って建てる(耐震等級3)※詳しくはこちちら
この3項目は、必須項目だと考えます。
そして、③の家を建て地震保険を50%引きで入る事も検討してください。
家づくり舎ファミリーでは、地盤調査にも違いがある事を身をもって感じています。
地盤調査は、とても とても 重要です。